フィロソフィーマップ

万葉集

まんようしゅう

佐竹昭広 他校注·古代

日本最古の和歌集

Amazonで見る
哲学

この著作について

奈良時代の後半に大伴家持《おおとものやかもち》らが編集に関与したとみられる、現存する日本最古の和歌集にして日本文学の原点。

【内容】

全二十巻、約四千五百首を収め、宮廷歌人から防人《さきもり》・東歌《あずまうた》に代表される庶民の歌まで幅広く採る。形式も長歌・短歌・旋頭歌《せどうか》・仏足石歌など多様で、四〜八世紀にわたる歌が収められている。柿本人麻呂《かきのもとのひとまろ》の雄大な挽歌、山部赤人《やまべのあかひと》の叙景、山上憶良《やまのうえのおくら》の「貧窮問答歌」にみられる社会への眼差し、大伴家持の繊細な抒情など、作者の個性が鮮明に現れる。原文は万葉仮名で表記され、豊かな訓読の歴史そのものが研究対象となっている。

【影響と意義】

古今和歌集《こきんわかしゅう》以降の宮廷和歌が王朝風の洗練を志向したのに対し、本書のおおらかで直情的な歌風は、近世の賀茂真淵《かものまぶち》・本居宣長《もとおりのりなが》らの国学を通じて「ますらをぶり」として再発見された。日本語による抒情と文字表記の双方の出発点として、今も国文学・言語史の基礎文献である。

【なぜ今読むか】

千三百年前の人々の恋と別れ、旅の疲れ、子を思う心が、翻訳なしでなお胸に届くという事実そのものが驚きを与える。短く凝縮された声の力を、現代の日本語感覚で味わい直せる無尽蔵の詞華集である。

Amazonで見る