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万葉秀歌

まんようしゅうか

斎藤茂吉《さいとうもきち》·現代

茂吉が選び解説した万葉集鑑賞の名著

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哲学文学和歌

この著作について

歌人で精神科医でもあった斎藤茂吉《さいとうもきち》が万葉集から約400首の秀歌を選び、簡潔で行き届いた解説を付した万葉集鑑賞批評の名著である。岩波新書発刊と同年の1938年、上下巻として刊行された創設期の代表作の一つ。

【内容】

柿本人麻呂、山部赤人、大伴家持、額田王、山上憶良ら主要歌人の作を中心に、無名の防人歌や東歌まで広く採録する。茂吉の解説は学説紹介を最小限にとどめ、歌語の働き、調べ、心の動きを具体的に指し示す。アララギ派の写実精神に立ちつつも、古代人の生の感触を一首ごとに掬い上げる読みが特徴で、万葉集を学術ではなく「歌」として味わう道筋が示される。

【影響と意義】

岩波新書の創設期を代表するロングセラーとして、戦中戦後を通じて版を重ねてきた。日本における万葉集普及に最も大きな役割を果たした書物の一つで、賀茂真淵《かものまぶち》以来の万葉研究を踏まえつつ、歌人ならではの実作的読解として独自の地位を保つ。

【なぜ今読むか】

古代日本人がどのように世界を感じ、言葉にしたかを、短い解説と原歌の往復のなかで体感できる。和歌や日本語の表現に関心を持つ者にとって、入り口にして到達点となる一冊である。

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