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あなたが救える命:世界の貧困を終わらせるために今すぐできること

あなたがすくえるいのち

ピーター・シンガー·現代

極度の貧困への援助義務を論じる効果的利他主義の手引き

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哲学倫理学応用倫理

この著作について

オーストラリアの倫理学者ピーター・シンガーが2009年に刊行したThe Life You Can Saveの邦訳である。児玉聡・石川涼子の訳により2014年に勁草書房から出版された。

【内容】豊かな国に暮らす者が、極度の貧困にある人々を援助しないのは道徳的に許容しうるかという問いに正面から取り組む。1972年の論文「飢饉、豊かさ、道徳」以来のシンガー的論証(浅い池で溺れる子を救う義務と国境を越えた援助義務の連続性)を発展させ、寄付の心理的障壁、援助の有効性、合理的に算定できる目標額などを具体的に論じる。後半では、寄付先選定や生活設計の指針も提示され、効果的利他主義(effective altruism)運動の実践的手引きとして機能する。

【影響と意義】GiveWell など効果的利他主義系団体の成長や、Giving What We Can 運動の拡大に大きな影響を与えた。学術倫理学を実践的選択へと橋渡しする好例として、教育現場でも広く採用されている。

【なぜ今読むか】災害・戦争・気候変動が国境を越えて影響を及ぼす現代において、援助の射程と限界を考える基礎文献となる。寄付という行為を感情ではなく合理的義務の問題として位置づけ直す本書の議論は、慈善観そのものを更新する力を持つ。

著者

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