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空海《くうかい》

くうかい

松長有慶·現代

高野山真言宗管長による多角的な空海評伝。

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哲学

この著作について

高野山真言宗管長を務めた密教研究者の松長有慶が、空海の自然観、教育理念、生死観などを多角的に論じた評伝である。岩波新書新赤版1933として2022年に刊行された。著者の『密教』『高野山』に続く岩波新書三冊目にあたり、長年の宗門指導と学術研究の蓄積を結晶させた一冊である。【内容】生涯を時系列で追う通常の評伝の構成を取らず、自然観、社会観、教育、医療、芸術、生死観といった主題ごとに章を立て、空海の著作と現代社会の課題を照らし合わせながら論じていく。万物に仏性を認める即身成仏《そくしんじょうぶつ》の思想、綜芸種智院に表れた万人への教育の理念、薬草と医療への関心、書と詩と造形への深い関与など、空海の活動の全体像が主題的に整理される。長年にわたる密教実践と学術研究の蓄積から、思想の核心を平易な言葉で説き明かす点が特徴である。【影響と意義】管長という宗門最高位にある著者が、内側からの理解と研究者としての分析を結合させた点で、近年の空海論の中でも独自の位置を占める。一般読者と研究者の双方に届く語り口が高く評価されている。【なぜ今読むか】環境危機や教育の混迷といった現代の課題に対し、空海の思想がどのような示唆を与えうるかを考える手がかりとなる。

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