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言葉についての対話

ことばについてのたいわ

マルティン・ハイデガー·現代

九鬼の「いき」を導きに東西の言葉を問う対話篇

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哲学

この著作について

ハイデガー『言葉への途中』(Unterwegs zur Sprache, 1959年)に収められた、日本人と一人の問う者の対話篇。日本人の役には九鬼周造《くきしゅうぞう》の弟子であり東京帝大独文教授であった手塚富雄《てづかとみお》が想定されている。

【内容】

対話は、かつてハイデガーのもとで学んだ九鬼周造との「いき」をめぐる会話の回想から始まる。九鬼の「いき」の構造を導きの糸に、ヨーロッパの形而上学的な語の概念と、日本語が本来もつ存在経験の差異が語られる。「言葉」を意味する日本語コトバの古層、能における無や間の経験、東洋の沈黙の伝統が話題となり、西洋哲学の概念装置で東洋の言葉を語ることの困難そのものが対話のテーマとなる。最終的に言葉は人間の道具ではなく、存在自体が人間に語りかける場として捉え直される。

【影響と意義】

後期ハイデガーの言葉論を代表する作品であり、東西比較哲学の重要な参照点として読み継がれてきた。手塚富雄訳『ことばについての対話』(理想社1968)、高田珠樹訳『言葉についての対話』(平凡社ライブラリー2000)として日本語で読める。

【なぜ今読むか】

翻訳と異文化理解が日常となった現在、母語と存在経験の結びつきを問うこの対話は、AI翻訳時代の言葉観に対しても根本的な問いを投げかける。

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