フィロソフィーマップ

近代の超克《ちょうこく》

きんだいのちょうこく

河上徹太郎・竹内好·現代

戦時知識人の座談会と参加者論文を集めた象徴的記録

Amazonで見る
哲学近代日本戦時思想

この著作について

1942年7月に河上徹太郎を司会として開催された知的協力会議の座談会記録、および参加者による関連論文を集めた書である。座談会記録は『文学界』1942年9月・10月号に初出し、戦後の1979年には冨山房百科文庫から河上徹太郎・竹内好編で再刊され、広く流通する版となった。なお、本書は西谷啓治の単著ではなく、京都学派(西谷啓治・下村寅太郎・鈴木成高)、文学界同人(亀井勝一郎・林房雄・三好達治ら)、日本浪曼派、自然科学者など多領域の論客が参加した共同記録である。

【内容】西洋近代を「超克」すべき対象として総括し、それに代わる東洋的・日本的原理を構想する試みが展開される。各論者の立場は一様ではなく、合理主義批判、近代国家観の刷新、信仰と科学の関係などをめぐって議論が交錯する。竹内好の戦後論考「近代の超克」(1959)はこの座談会を再評価する試みとして書かれ、戦時思想史への重要な視角を提供した。

【影響と意義】戦後は戦時下知識人の総力戦体制への加担を象徴する事件として批判的検証の対象となり、竹内好・廣松渉らによる繰り返しの読み直しを通じて、日本近代思想史の難問の一つとして位置づけられてきた。

【なぜ今読むか】西洋発の普遍主義への懐疑が再び世界各地で語られる現在、本書は近代批判が陥りうる陥穽を歴史的に学ぶ第一級の資料となる。安易な「ポスト西洋」論への警鐘として読み返す価値がある。

関連する哲学者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る