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家族関係を考える

かぞくかんけいをかんがえる

河合隼雄·現代

日本の家族における心理的距離感を分析した臨床心理学の名著

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心理

この著作について

京都大学教授で日本のユング派分析心理学を確立した河合隼雄(1928〜2007)が、日本の家族関係をめぐる臨床経験を踏まえて執筆した心理学エッセイ。1980年に講談社現代新書として刊行されたロングセラーである。

【内容】

夫婦・親子・きょうだい・嫁姑など、日本社会で典型的な家族関係のパターンを、ユング心理学と日本文化論の視点から論じる。「父性原理」と「母性原理」の概念で、近代化のなかで日本の家族がいかに揺らいでいるかを描き出し、欧米的な「個」を前提とした家族像と、日本的な「場」のなかで成り立つ家族像を対比する。具体的なケースを織り交ぜながら、家族の問題を個人の責任に帰さず、文化的・心理的構造のなかで理解する視点を提示する。

【影響と意義】

本書は日本の家族論・心理臨床の標準的参考書として読まれ続け、河合隼雄の一般読者向け著作の代表的一冊となった。日本における心理学を「文化」として根づかせる役割を果たし、後の家族療法の普及にも貢献した。

【なぜ今読むか】

家族の悩みを「個人の問題」ではなく「関係性のパターン」として捉え直す視点が、家族関係に苦しむ現代の読者に冷静な距離を与えてくれる。

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