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秦漢思想史研究

しんかんしそうしけんきゅう

金谷治·現代

秦漢時代の思想的展開を詳述する専門研究書

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哲学歴史

この著作について

中国思想史家・金谷治《かなやおさむ》が、諸子百家から漢代までの思想史を丁寧に論じた学術的研究書。

【内容】

本書は戦国時代末期の法家思想から筆を起こす。商鞅《しょうおう》の変法、荀子《じゅんし》における儒法融合、韓非子《かんぴし》による法家の集大成が論じられたのち、秦の統一事業とその急速な崩壊、漢初の黄老思想、武帝期における儒教の国教化、そして董仲舒《とうちゅうじょ》による天人相関説と春秋公羊学の展開が追跡される。思想が単なる観念ではなく、官僚制度、律令、儀礼、学校制度と結びついて変容していく過程が、史料に即して描かれる。最終部では、後漢期の古文学派、緯書、王充《おうじゅう》の批判的思想までが視野に入れられる。

【影響と意義】

日本における秦漢思想史研究の基本文献として、長く学界で参照されてきた。儒教と法家を「対立」ではなく、相互に浸透する思想的動態として描いた点で、現代日本の中国思想史研究の枠組みを整えた仕事の一つと位置づけられる。

【なぜ今読むか】

東アジアの政治文化の基層には、本書が扱う時代の思想的決着がなお生きている。公的な規範と現実政治、理念と統治技法の関係を、遡って観察するうえで、なお有効な手がかりを与えてくれる書物である。

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