ユ
『ユング自伝:思い出・夢・思想』
ゆんぐじでん:おもいで・ゆめ・しそう
カール・グスタフ・ユング·現代
ユングが晩年に口述し助手ヤッフェが編集した自伝
心理学自伝
この著作について
1961年刊。没年に出版されたユング晩年の口述自伝で、助手アニエラ・ヤッフェ(Aniela Jaffé)が聞き書きし、本人の校閲を経て編集された。
【内容】
幼少期の「二つの人格」の体験、バーゼルでの学生時代、ブレンゲレン精神病院でのブロイラー門下、フロイトとの運命的出会いと決別、第一次大戦前夜の「赤の書」に記された幻視と内面の危機、元型・集合的無意識・個性化過程の着想、アフリカ・インド・プエブロ旅行、晩年の錬金術研究と『アイオーン』『心理学と錬金術』への展開までが、自伝的筆致で綴られる。フロイト来訪時の緊張、妻エマへの追悼、死の床で見た神秘的な夢の報告など、私的なエピソードも率直に記される。ボーリンゲンの石造りの塔での独居生活、石に彫り込んだラテン語銘、オカルティズムや降霊会への関心の告白など、公的な著作では触れにくい面が前面に出る。
【影響と意義】
ユング思想の入口として最も広く読まれてきた本で、同時代のフロイト『夢判断』と並び、二十世紀の心理学・宗教学・文学理論に影響を与え続けた。
【なぜ今読むか】
科学者が自らの非合理的な内面と生涯向き合ったこの記録は、「自己」を問う現代人にとっても貴重な伴走者である。
著者
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