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じぶん・この不思議な存在

じぶん このふしぎなそんざい

鷲田清一《わしだきよかず》·現代

自己とは何かを日常の言葉で考え直す鷲田清一の哲学エッセイ

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哲学

この著作について

臨床哲学を提唱した鷲田清一《わしだきよかず》が、「自分」という言葉をめぐる違和感から出発して、自己の輪郭を揺さぶり直す哲学エッセイ。

【内容】

本書は、鏡に映った像、写真に撮られた自分、他人の目に映る自分、服装や髪型によって変わる自分、名前と呼びかけのなかで立ち上がる自分といった身近な場面を次々と取り上げる。私が「自分」と思っているものは、肌の下に閉じ込められた実体ではなく、他者の視線、社会の制度、流通する言葉のなかで日々組み立て直される不安定な現象として描き直される。メルロ=ポンティの身体論、レヴィナスの他者論、看護や臨床の現場で鷲田自身が観察した身振りの観察が緻密に織り込まれ、自己は関係の束として揺らぎながら成立していることが示される。

【影響と意義】

身体論と臨床哲学を日本語圏の一般読者に広めた著者の代表的入門書として、長く読み継がれている。介護・医療・教育の現場でも参照されることが多く、哲学を大学の外へ開くうえで大きな役割を果たした。

【なぜ今読むか】

SNSのアカウント、仕事上の肩書き、家族の役割など、自己はますます多層化している。「自分とは何か」に一つの答えを急ぐのではなく、揺らぎを抱えたまま生きる術を考えたい人に、温かい同伴者となる一冊である。

この著作で扱う問い

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