フィロソフィーマップ

禅仏教入門

ぜんぶっきょうにゅうもん

鈴木大拙《すずきだいせつ》·現代

大拙が英語圏に禅を紹介したロングセラーの入門書

Amazonで見る
宗教哲学

この著作について

鈴木大拙が英語で書き下ろし、1934年にロンドンで『An Introduction to Zen Buddhism』として公刊した禅思想の入門書。序文をC・G・ユングが寄せた改訂版(1949)により欧米で決定的なロングセラーとなり、西洋における禅ブームの先駆けとなった著作である。

【内容】

全8章。まず禅を「教義の宗教」ではなく「体験と生き方の伝統」として位置づけ、禅仏教がインドの仏教や中国の道教からどのように独立した潮流になったかを概説する。続いて座禅の実践、公案《こうあん》(禅問答)、頓悟《とんご》(突然の覚り)、不立文字《ふりゅうもんじ》(言葉に頼らない伝達)、日常の作務のなかに見る禅、茶道と剣道への影響までを、豊富な逸話とともに解説する。英語読者を念頭に、仏教用語を西洋哲学・キリスト教神秘主義の概念と対比しながら翻訳する独自の語り口が全篇を貫く。

【影響と意義】

英訳『無門関《むもんかん》』エーリッヒ・フロム/鈴木大拙『禅と精神分析』と並んで、戦後の米国カウンターカルチャー、ビート文学、マインドフルネス運動の源流となった。日本文化論の発信者としての大拙の地位を国際的に確立した記念碑的著作である。

【なぜ今読むか】

日常と瞑想、行動と沈黙を分けないという禅の態度を、平易な言葉で受け取れる。マインドフルネス流行の背後にあるものに触れる最良の入口である。

著者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る