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想像の共同体

そうぞうのきょうどうたい

ベネディクト・アンダーソン·現代

ナショナリズム研究を刷新した『想像の共同体』概念を提示した必読書

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政治

この著作について

東南アジア政治研究者ベネディクト・アンダーソンが、ナショナリズム研究の風景を決定的に変えた比較歴史社会学の記念碑的著作。

【内容】

副題は「ナショナリズムの起源と流行」。アンダーソンは国民を、「限定され、主権的と想像された政治的共同体」と定義する。血縁や出自で結ばれた実在する共同体ではなく、会ったこともない多くの人々が「同じ時間を生きる仲間」と思い描く共同体である、というのが本書の決定的な洞察である。そのうえで、ラテンアメリカ独立、欧米のナショナリズム、アジアの植民地ナショナリズムを比較しつつ、印刷資本主義による俗語文学の普及、巡礼と官僚機構、地図・博物館・人口調査、無名戦士の墓や国歌の成立が、ネーションという想像を物質的に支えてきた過程を跡づける。

【影響と意義】

『想像の共同体』という語は学術界を越えて一般語彙となり、ナショナリズム研究のみならず、比較文学、メディア研究、アジア研究、東南アジア研究の共通の参照枠となっている。スチュアート・ホール、ホミ・バーバら後続のカルチュラル・スタディーズの議論にも深い影響を残した。

【なぜ今読むか】

国家、民族、愛国心をめぐる議論がますます熱を帯びる時代、「自分たちの国民感情がどんな歴史的条件から生まれてきたか」を冷静に観察する視座を提供する。日本のナショナリズムを考えるうえでも、なお第一に読むべき書物である。

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