フィロソフィーマップ

アイデンティティの心理学

あいでんてぃてぃのしんりがく

鑪幹八郎《たたらみきはちろう》·現代

エリクソン理論を平易に解説した入門書

Amazonで見る
哲学心理学

この著作について

鑪幹八郎《たたらみきはちろう》がエリクソンのライフサイクル論とアイデンティティ理論を平易に解きほぐした新書である。1990年に講談社現代新書として刊行され、長く読まれている定番の入門書だ。

【内容】

乳児期から老年期までの八段階のライフサイクルを縦糸に、各段階の発達課題と危機を具体的事例で示す。さらに不登校、無気力、対人恐怖といった臨床現場で出会う問題をアイデンティティの揺らぎとして読み解き、青年期の自己模索に多くの紙幅を割く。後半では森有正《もりありまさ》の経験論を手がかりに、日本人にとってのアイデンティティとは何かという問いにも踏み込む。

【影響と意義】

専門的な精神分析の語彙を日常語に翻訳した功績は大きい。教育学部・心理学部の教科書として広く採用され、臨床心理学を志す学生の入門書として世代を超えて読み継がれている。日本社会の文脈に即してエリクソンを論じた点でも先駆的な仕事である。

【なぜ今読むか】

自分らしさが分からない、進路が決められないといった現代的な悩みを、発達段階という長い時間軸のなかに置き直してくれる。新書一冊の手軽さで臨床心理学の見取り図が得られる、貴重な一冊だ。

関連する哲学者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る