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一枚起請文

いちまいきしょうもん

法然《ほうねん》·中世

法然が死の二日前に弟子たちに遺した短い信仰の総括

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宗教

この著作について

建暦二年(1212年)一月二十三日、法然が入滅の二日前に弟子源智《げんち》の求めに応じて記した、わずか百九十余字の遺言的小文。浄土宗の根本経典として今日まで読誦されている。

【内容】

本書はまず、学問のあり方でも難しい観想でもなく、「ただ往生極楽のためには、南無阿弥陀仏と申して疑いなく往生するぞと思いとりて申す」という念仏の一行へと収束する。念仏以外の諸善への執着、三心・四修といった複雑な修行論も、ここでは念仏に還元される。最後に、専修念仏を貫く信仰告白を自ら書き記し、血判とともに弟子たちに手渡すという形で全体が結ばれる。宗派内の教学の乱れや弟子間の論争への懸念を受けての遺言という性格も色濃い。

【影響と意義】

選択本願念仏集の膨大な教学を、死の直前に一枚の紙に凝縮させた本文は、浄土宗・浄土真宗・時宗・禅の諸宗派にまで影響を及ぼし、庶民のあいだにも日常的な読誦の対象として広まった。

【なぜ今読むか】

複雑な教学を最小限の言葉に還元した「最期の書」として、信仰の有無を問わず、人が何を心の底から握りしめるかを考える鏡となる。

著者

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