ヘ
『ヘンリー四世』
へんりーよんせい
シェイクスピア·近代
放蕩王子ハルと道化フォルスタッフを描いた史劇二部作
文学
この著作について
ウィリアム・シェイクスピアが1596〜97年ごろ執筆した史劇で、第一部・第二部の二部作からなる。英国史劇シリーズ(ヘンリアッド)の中核をなし、ヘンリー五世となる若き王子ハルの成長と、その相棒フォルスタッフの滑稽で豪胆な姿を並行させた、シェイクスピア中期を代表する傑作である。
【内容】
第一部では、王位を簒奪したヘンリー四世の治世下で、北部貴族ハリー・ホットスパーらによる反乱が進行する。宮廷から姿を消して居酒屋で騎士フォルスタッフや酔漢たちと放蕩するハル王子が、やがて反乱鎮圧の戦場で見違えるように戦士として覚醒する。第二部では王の死を前にした宮廷と、老いていくフォルスタッフが対照され、最終場面で戴冠した新王ハル(ヘンリー五世)が公衆の面前で旧友フォルスタッフを退けるという衝撃的な別離で幕を閉じる。
【影響と意義】
フォルスタッフは英文学最高の喜劇的人物の一人として、シェイクスピア作品の中でもひときわ自立した存在感を持ち、ヴェルディ晩年のオペラ『ファルスタッフ』の主人公にもなった。
【なぜ今読むか】
若者が友人を一人切り捨てて「責任ある人間」になる瞬間の苦さと必然を、これほど痛切に描いた作品は他にない。
著者
関連する哲学者と話してみる
