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建国大綱

けんこくたいこう

孫文·現代

中華民国の建国過程を三段階で設計した孫文最晩年の綱領

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政治アジア

この著作について

孫文が1924年に発表した短い憲法的文書。全25条からなり、革命後の中国を憲政国家として完成させるまでの過程を三段階に分けて規定した、中華民国の基本構想である。

【内容】

孫文は建国を「軍政」「訓政」「憲政」の三段階に区分する。軍政期は革命による全国統一と旧勢力の排除、訓政期は国民党が人民を指導しながら地方自治を育てる過渡期、憲政期は完成した五権憲法のもとで人民主権が実現される最終段階、と定義される。あわせて県を基本単位とする地方自治、人民の四権(選挙・罷免・創制・複決)、政府の五権(立法・行政・司法・考試・監察)といった制度設計を圧縮した条文形式で提示する。

【影響と意義】

中華民国憲法(1946)の基本構造を決定し、国民党が長く掲げる国家建設の青写真となった。訓政期という概念は、権威主義的な移行期統治を正当化する論理としても用いられ、その後の東アジア開発独裁論にも影響を与えた。台湾では現在も憲法史の基本文献である。

【なぜ今読むか】

権威主義から民主主義への移行をあらかじめ段階化して設計する発想は、現代の民主化論・移行期正義論とも響き合う。短く読める政治思想史の一次資料として手に取りやすい。

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