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『フーコーの風向き:近代国家の系譜学』
ふーこーのかざむききんだいこっかのけいふがく
重田園江·現代
権力分析と統治性論を主題別に読む本格論文集
哲学現代思想政治哲学
この著作について
現代思想・政治思想史を専門とする明治大学教授の重田園江が、フーコーの権力分析・統治性論・生政治論を主題ごとに読み解いた本格的な論文集である。青土社より2020年に刊行された。
【内容】知と権力、規律訓練、リスクと統計、新自由主義など、フーコー後期の鍵概念を章ごとに取り上げ、それぞれの理論的射程を丁寧に分析する。エッセイ集の体裁ではなく、コレージュ・ド・フランス講義録の読解を踏まえた腰の据わった論考が並び、近代国家の系譜学としてフーコー思想の全体像を立体的に提示する。著者自身の社会理論的関心(ホッブズ研究・連帯論)とも連動し、フーコーを単なる思想史の対象ではなく現在の政治を考える道具として活用する姿勢が貫かれる。
【影響と意義】日本語によるフーコー論の水準を引き上げた一冊として高く評価され、政治思想史・社会学・哲学の領域横断的な議論を喚起した。著者の前著『連帯の哲学』『ミシェル・フーコー:近代を裏から読む』とあわせて、日本のフーコー研究を更新する仕事として位置づけられる。
【なぜ今読むか】監視・統治・自己責任といった現代社会の主題を理解するうえで、フーコーは依然として最良の道具箱の一つを提供する。本書はその道具を実際に使いこなす実演として、入門のその先を求める読者に応える。
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