フ
『フーコーの穴』
ふーこーのあな
重田園江·現代
フーコーの権力論を批判的に検討した著作
哲学入門
この著作について
政治思想史家・重田園江《おもだそのえ》がフーコーの権力論を内在的に読み直した、批評的研究書。
【内容】
本書は、規律権力、統治性、生権力といったフーコーの主要概念を丁寧に腑分けしつつ、『監獄の誕生』『性の歴史』『統治性』講義録といった主著に潜む論理の「穴」を慎重に拾い上げていく。権力編成を暴く思考がどこで踏みとどまり、どこで自己矛盾に陥るかが、緻密なテクスト読解で追跡される。同時に、日本の近代化・近代社会の分析にフーコーをどう使えるか、統計・保険・公衆衛生・監獄制度といった具体的な制度史も視野に収められる。
【影響と意義】
フーコーを称揚するだけでも葬るだけでもなく、その思想を現代の社会分析の道具として使い直すための見取り図を提供した点に価値がある。統治性論、ネオリベラリズム批判、リスク社会論の再活性化にも寄与している。著者の『統治の抗争史』『ミシェル・フーコー』などの仕事と合わせて参照されることが多い。
【なぜ今読むか】
難解なフーコーをそのまま模倣するのではなく、自分の頭で検証する姿勢を貫いてくれる書物である。原典を読む前の見通しとしても、読んだ後の再点検としても機能する、実用的な一冊である。
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