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ミミズと土

みみずとつち

ダーウィン·近代

最晩年のダーウィンがミミズを通じて生態系を描いた好著

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科学

この著作について

チャールズ・ダーウィンが1881年、没する前年に公刊した最後の著書。40年以上にわたって自宅ダウンハウスの庭で観察を続けた研究をまとめた、ミミズの行動と生態をめぐる一冊である。

【内容】

全7章。ミミズが土を食べ、体内を通過させた糞塊を地表に押し出す営みを、重量・面積・深さの三つの指標で定量的に追跡する。長大な時間のなかで、ミミズが古代の遺跡を数十センチも沈降させ、耕地の表土を何度も再生していることが示される。石造りのストーンヘンジの柱石すら、世代を重ねたミミズの活動で地中に沈んでいくというダーウィンの観察は、地質学的時間と生物活動の接続を鮮やかに描き出す。

【影響と意義】

土壌生態学の先駆的著作として、20世紀以降の農業生態学、エコロジー、土壌科学に基本文献として読み継がれる。生物を主役とする地表形成論の原点であり、現代のレジリエンス論や都市土壌研究にも響く。

【なぜ今読むか】

足元の小さな生き物の営みが長い時間のなかで地形を作るという視点は、気候と生態系を考える現代にこそ新鮮に届く。

著者

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