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自我と無意識の関係

じがとむいしきのかんけい

カール・グスタフ・ユング·現代

個性化の過程を論じたユングの分析心理学の基本書

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心理学

この著作について

分析心理学の創始者C・G・ユングが、フロイトとの決別後に自らの臨床経験と思索を整理した中期の代表作で、「個性化」の概念を明確に打ち出した書物。

【内容】

本書は二部構成を取る。第一部では、無意識が自我に対立する敵ではなく、自我を補償し、不足している要素を夢や症状を通じて知らせる相方として捉え直される。社会的役割として身につく「ペルソナ」、それと無自覚に同一化することの危うさ、そしてペルソナの裏側に押しやられてきた「影」の問題が論じられる。第二部では、男性の無意識に宿る女性像「アニマ」、女性の無意識に宿る男性像「アニムス」、集合的無意識とそこに根差す元型(アーキタイプ)の働きが解説される。最終的に、ペルソナ、影、アニマ・アニムス、自己(ゼルプスト)が統合されていく「個性化(インディヴィデュエーション)」の過程が描かれる。

【影響と意義】

本書はユング派心理療法のコアをなす文献として、河合隼雄《かわいはやお》ら日本の臨床家にも繰り返し参照されてきた。トランスパーソナル心理学、物語療法、ファンタジー文学論、現代のスピリチュアリティ研究にも、その影響は広く及んでいる。

【なぜ今読むか】

SNS上のペルソナ、押し殺した感情、夢の中に現れるもう一人の自分。こうした経験を単なるノイズではなく、自分を成熟させる素材として読み直すための、静かで信頼できる手引きとなる。

著者

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