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植民地主義論

しょくみんちしゅぎろん

エメ・セゼール·現代

ヨーロッパ文明を植民地暴力から告発したネグリチュードの宣言

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政治哲学

この著作について

マルティニーク出身の詩人・政治家エメ・セゼール(1913〜2008)が1950年に刊行した『Discours sur le colonialisme』の邦訳。「ネグリチュード(黒人性)」運動の中心人物による、戦後ポストコロニアル批評の出発点となる短い論考である。

【内容】

ヨーロッパ文明が掲げる人道主義・キリスト教的価値観と、植民地で実際に行ってきた虐殺・搾取・奴隷化の暴力との根本的矛盾を、激しい修辞で告発する。ナチズムの蛮行は、ヨーロッパが植民地で長らく実践してきたものを白人自身に向けて適用しただけだという、衝撃的かつ理論的に重要なテーゼを提示する。レナン、ロワジー、ロジェ・カイヨワらヨーロッパ知識人の植民地主義的記述を逐一引用しつつ批判し、最後はソ連型ではない第三世界の独自の解放を呼びかける詩的散文として閉じられる。

【影響と意義】

本書はフランツ・ファノン、エドワード・サイード、ガヤトリ・スピヴァク、ホミ・バーバといった後のポストコロニアル理論家に直接の影響を与え、二十世紀後半の脱植民地化思想の根本文献となった。アフリカ独立運動、カリブ・ラテンアメリカの解放思想、ブラック・ラディカル・トラディションの源流の一つとして読み継がれている。

【なぜ今読むか】

ヨーロッパ近代の普遍主義の影に何があったかを、最も鋭く告発する声として今なお生きている。

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