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啓蒙の弁証法

けいもうのべんしょうほう

ホルクハイマー・アドルノ·現代

ホルクハイマーとアドルノによる批判理論の原点

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社会思想哲学

この著作について

ナチスを逃れてアメリカに亡命したマックス・ホルクハイマーテオドール・アドルノが、戦中に亡命先で共同執筆した批判理論の基本文献。

【内容】

冒頭の命題は「啓蒙は神話へと退化する」である。自然を合理的に支配しようとする啓蒙的理性は、自らが駆逐したはずの神話的思考と同じ構造を反復し、やがて人間自身と内なる自然をも支配する道具的理性に転じる、と論じられる。オデュッセイアの英雄、サドのリベルティーヌ、ハリウッド映画、ラジオ、広告、反ユダヤ主義の章が続き、啓蒙と野蛮の逆説が多面的に分析される。「文化産業」の章は、消費文化が批判的思考を無化する装置としていかに機能するかを鋭く解剖した古典的名章である。

【影響と意義】

フランクフルト学派の主著として、戦後ヨーロッパの批判理論・メディア研究・文化研究の出発点となった。ポストモダン思想、フェミニズム、ポストコロニアル批評、現代のデジタル資本主義批判に至るまで、その影響は今も途切れていない。

【なぜ今読むか】

情報プラットフォームとアルゴリズムに生活を最適化される現代こそ、本書が診断した「道具的理性と文化産業」の論理は一段と生々しく感じられる。便利さの内側に潜む支配のかたちを考える、いまなお鋭利な一冊である。

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