人
『人間の由来』
にんげんのゆらい
チャールズ・ダーウィン·近代
人間進化と性淘汰理論を体系的に展開したダーウィン第二の大著
科学
この著作について
チャールズ・ダーウィンが1871年に公刊した進化論の第二の主著。『種の起源』(1859)が人間進化の主題を意図的に避けたのに対し、本書は正面から人類の動物界からの進化を論じ、加えて「性淘汰」という自然淘汰と並ぶ第二の進化メカニズムを体系化した作品である。
【内容】
第一部で、解剖学・発生学・行動比較を通じて人間が他の霊長類と共通祖先を持つことを論証する。第二部で、昆虫から鳥類、哺乳類を通観し、雄の美しい羽・角・歌声・戦闘力が雌の選好や雄同士の競争によって進化する「性淘汰」理論を展開する。第三部で再び人間に戻り、道徳感情・美的感覚・人種差といった人間固有の特徴も、進化論の枠内で説明される。
【影響と意義】
19世紀末〜20世紀の人類学・心理学・社会学を根底から方向づけ、現代の進化心理学、行動生態学、ジェンダー論における生物学的基礎論争の源泉となっている。人種論への誤用という負の歴史もまた本書の影響圏にある。
【なぜ今読むか】
人間と動物の連続性をめぐる議論が再び問われる現代、原典に戻って考える価値は大きい。
著者
関連する哲学者と話してみる
