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文化防衛論

ぶんかぼうえいろん

三島由紀夫·現代

天皇を文化概念の核に据えた三島晩年の政治的宣言書

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政治日本

この著作について

三島由紀夫が1968年に『中央公論』誌に発表した論考。1970年の市ヶ谷での自決に至る彼の晩年の思想的・政治的立場を最も明快に示した、三島評論の代表作である。

【内容】

戦後日本の政治的・経済的復興が、日本文化の連続性を守ることができないという認識から出発する。三島は「菊と刀の栄誉と政治は、文化概念としての天皇のもとでのみ両立する」と主張し、天皇を政治的権力ではなく文化的連続性の象徴として再定位することで、日本文化の全体性を擁護すべきだと論じる。同時に、左翼の論理的全体主義、右翼の形式的国家主義の双方を退け、「文化」を人間の全生活形式として守る独自の立場が提示される。

【影響と意義】

三島文学と政治行動を接続する理論的テクストとして、戦後保守思想史の重要文献となった。西部邁、福田恆存、江藤淳ら同世代の論客との対話の中で、「文化保守主義」の古典的立場を鮮明化した。

【なぜ今読むか】

文化的アイデンティティと政治・経済の関係が世界規模で問われる現代、一つの強烈な立場の表明として読む価値がある。

著者

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