マ
『マザー・テレサ 来て、わたしの光になりなさい!』
まざーてれさ きて わたしのひかりになりなさい
マザー・テレサ・ブライアン コロディエチュック編·現代
信仰の闇を生きたマザーの私的書簡集
哲学宗教キリスト教
この著作について
マザー・テレサの没後10年を期に、列聖調査の責任者ブライアン・コロディエチュックMCが編纂・解説した私的書簡集。原著 Come Be My Light は2007年に英語で公刊され、日本語版は里見貞代訳で2014年に女子パウロ会から刊行された。
【内容】
中心に置かれるのは、約半世紀にわたる「信仰の闇」と呼ばれる内的体験である。1948年にカルカッタでの活動を始めて以来、彼女は神の不在感、祈りに応えのない沈黙、信仰そのものへの懐疑にほとんど絶え間なく苦しみ続けた。それでも貧しい人々への奉仕を一日も休まず、その苦しみを「キリストの渇きにあずかる恵み」として受けとめ直していく過程が、霊的指導者にあてた書簡や日記の断片から浮かび上がる。十字架の聖ヨハネの「魂の闇夜」と重ね合わせて読まれることが多い。
【影響と意義】
「微笑みの聖女」という公的イメージの裏側にあった深い苦悩を初めて公にし、信仰と懐疑、聖性と人間性の関係をめぐる議論を世界的に呼び起こした。新無神論者からは信仰の崩壊と読まれ、神学者からは神秘主義の伝統に連なる体験と解釈され、評価は今も分かれている。
【なぜ今読むか】
確信のないまま行動を続けるとはどういうことかという、現代人にも通じる主題が一次資料の声で迫ってくる。聖人伝ではなく、揺れる人間の記録として読める一冊である。
著者
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