冷
『冷戦 その歴史と問題点』
れいせん そのれきしともんだいてん
ジョン・ルイス・ギャディス·現代
冷戦研究の第一人者による平易な通史的概説
歴史政治
この著作について
イェール大学の歴史家で冷戦研究の第一人者ジョン・ルイス・ギャディス(1941〜)が、米ソ両国のアーカイブ公開を踏まえて書き下ろした冷戦概説『The Cold War: A New History』(2005)の邦訳。
【内容】
第二次世界大戦末期のヤルタ・ポツダム会談から、ベルリン封鎖、朝鮮戦争、キューバ危機、ベトナム戦争、デタント、軍拡競争の再燃、ペレストロイカ、ベルリンの壁崩壊、ソ連解体までを、政治・軍事・経済・思想の各局面で立体的に追跡する。スターリン、毛沢東、フルシチョフ、ケネディ、ブレジネフ、レーガン、ゴルバチョフら指導者の判断と人格に紙幅を割き、冷戦が単なる構造ではなく「人間が動かした政治」であったことを描き出す。
【影響と意義】
アメリカ側からの冷戦解釈の標準的概説として広く用いられ、世界各国の大学教育で教科書として採用されている。修正主義派とポスト修正主義派を超えて、新しい資料に基づく総合的描写を試みた書として、二十一世紀の冷戦理解の基礎を提供している。
【なぜ今読むか】
「新しい冷戦」が語られる現在、前回の冷戦が何だったのか、なぜ平和裡に終結し得たのかを、信頼できる史料に基づいて確認するための入門書である。