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クライアント中心療法

くらいあんとちゅうしんりょうほう

カール・R・ロジャーズ·現代

来談者中心療法の体系を示した臨床心理学の古典

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哲学心理学

この著作について

原著 Client-Centered Therapy: Its Current Practice, Implications, and Theory(1951年)。カール・ロジャーズが来談者中心療法の理論と実践を体系的に提示した臨床心理学の古典である。日本語訳は保坂亨・末武康弘・諸富祥彦による訳で、岩崎学術出版社のロジャーズ主要著作集第2巻として2005年に刊行された。

【内容】

治療者が指示や解釈を控え、無条件の肯定的配慮・共感的理解・自己一致という三条件を提供することで、クライアント自身の自己治癒力が発動するという理論的枠組みが示される。具体的な面接記録と逐語録が豊富に収められ、技法の背後にある人間観が立体的に伝わる。子どもの遊戯療法、教育場面への応用、グループ療法への発展、研究方法論まで論点は広い。後年の人間性心理学への展開の出発点となった著作である。

【影響と意義】

精神分析と行動療法に対する第三勢力としての人間性心理学の旗印的著作で、世界中のカウンセリング教育の基礎文献として読まれてきた。日本のカウンセリング史にも決定的な影響を与え、教育相談・産業カウンセリング・看護領域に広く浸透した。

【なぜ今読むか】

効率と数値が優先される時代だからこそ、ひとりの人間として丁寧に聴くという姿勢の意義が見直されている。対話の倫理を考える書としてブーバー思想とも深く響き合う。

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