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『チャーンドーギヤ・ウパニシャッド』
(古代インドの作者不詳)·古代
「汝はそれなり」の教説で知られる古層ウパニシャッド
哲学宗教インド思想
この著作について
紀元前7〜6世紀頃に成立した、最古層に属するウパニシャッドの一つである。サーマ・ヴェーダ系統に属し、八章からなる。とりわけ「タット・トヴァム・アシ(汝はそれなり)」という有名な教説を含み、後のシャンカラ不二一元論にとって最重要の聖典的根拠となった。
【内容】
父ウッダーラカ・アールニが息子シヴェータケートゥに対して、世界の一切は最初に唯一の有(サット)として存在し、そこから多が展開したと教える章が中心である。「微細なる粒の中に宇宙があり、それが汝のアートマンであり、それがブラフマンに他ならない」という直観的同一性の宣言が「タット・トヴァム・アシ」として九度繰り返される。ほかにオーンの瞑想、五火説(パンチャーグニ・ヴィディヤー)、サナトクマーラとナーラダの対話など、瞑想と知識の道を多角的に説く章句が織り込まれている。
【影響と意義】
本ウパニシャッドの教説は、ヴェーダーンタ諸派の根本テキストとして機能してきた。シャンカラ・ラーマーヌジャ・マドヴァそれぞれが本書に詳細な註解を残し、自派の立場を本書解釈を通じて確立した。
【なぜ今読むか】
自己と宇宙の同一性という古代インドの直観は、現代の意識研究や生命論に新たな視点を与え続けている。
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