資
『資本主義リアリズム』
しほんしゅぎりありずむ
マーク・フィッシャー·現代
資本主義以外の社会を想像しえない現代精神を診断したフィッシャーの批評
社会思想文化
この著作について
英国の文化批評家マーク・フィッシャーが2009年に公刊した小著(正式題『Capitalist Realism: Is There No Alternative?』)。ブログ「k-punk」での発信を軸にデビューした彼の代表作で、21世紀初頭の資本主義批判の名著として世界的に読まれる作品である。
【内容】
「資本主義の終わりより、世界の終わりを想像するほうが容易い」という一節(フレドリック・ジェイムソン由来)を核に、現代人が資本主義以外の社会を想像できなくなっている精神状況を「資本主義リアリズム」として診断する。教育の企業化、精神疾患の蔓延、官僚制の増殖、メディア文化の質的劣化といった具体的症状を、新自由主義的主体化の帰結として分析する。デリダの亡霊論、ドゥルーズの管理社会論、ジジェクのイデオロギー論、ジェイムソンの後期資本主義論を自在に引用するスタイル。
【影響と意義】
オキュパイ運動、Left Forum、フィッシャー没後(2017)の遺稿集『The Weird and the Eerie』とあわせ、2010年代左翼思想の最重要参照点となった。
【なぜ今読むか】
現代を生きる精神の行き詰まりを最も鋭く言語化した短篇として、いまこそ読む価値がある。