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インディアスの破壊についての簡潔な報告

いんでぃあすのはかいについてのかんけつなほうこく

バルトロメ・デ・ラス・カサス·近代

新大陸でのスペイン人による先住民虐殺を告発した同時代証言

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歴史哲学

この著作について

ドミニコ会修道士で「インディオの父」と呼ばれたバルトロメ・デ・ラス・カサス(1484〜1566)が1542年に執筆し、1552年にセビーリャで公刊した告発書。スペイン国王カルロス1世(カール5世)に提出された嘆願書を発展させたものである。

【内容】

カリブ海の島々から始まり、ヌエバ・エスパーニャ、ペルー、ベネズエラ、フロリダに至るまで、コンキスタドール(征服者)たちが先住民に加えた虐殺・奴隷化・収奪の実例を地域ごとに列挙する。エンコミエンダ制下での酷使、無辜の老若男女への殺戮、抵抗者の生体焼却まで、目撃者として書き留めた事実を簡潔かつ激しい筆致で告発する。

【影響と意義】

本書はバリャドリード論争(1550〜51年)でセプールベダの自然奴隷論と対峙したラス・カサスの思想的立場を一般読者に伝え、先住民の人間性をめぐる西洋初の人権論争を広く可視化した。一方で17世紀以降オランダ・イギリスのプロパガンダに利用され、スペインを特別に残虐とする「黒い伝説」の源泉ともなった。

【なぜ今読むか】

植民地暴力をいかに同時代から告発しうるか、加害者集団の内部から発せられる批判の力と限界を、原典の声で確かめられる古典である。

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