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『〈聖徳太子〉の誕生』
しょうとくたいしのたんじょう
大山誠一·現代
「聖徳太子虚構説」を提示した論争的研究書
哲学日本思想古代史
この著作について
【内容】吉川弘文館の歴史文化ライブラリー65として1999年に刊行された研究書である。聖徳太子に帰せられる事績の多くは『日本書紀』編纂段階で藤原不比等らによって創作された虚像であるとする、いわゆる「聖徳太子虚構説」を体系的に提示する。十七条憲法・三経義疏・冠位十二階などについて、史料批判の手続きを徹底して再検討する。
【影響と意義】学界に大きな論争を巻き起こし、太子研究の前提を根底から揺さぶった。実在の厩戸王と、聖人化された〈聖徳太子〉という記号を切り分ける視点は、その後の古代史研究に大きな方法論的影響を与えている。賛否両論の反応を呼びつつも、史料を用いた批判的読解の手本として高く評価されている。
【なぜ今読むか】教科書的な太子像を、史料に基づいて問い直す経験ができる稀有な一冊である。歴史叙述がいかに後世の政治的要請によって形成されるかを学ぶ上でも、優れたケーススタディとなる。古代史と思想史を批判的に読みたい読者に強く勧めたい。
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