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経験としての芸術

けいけんとしてのげいじゅつ

ジョン・デューイ·現代

芸術を経験の完成として論じたデューイの美学的著作

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哲学

この著作について

プラグマティズムの哲学者ジョン・デューイが、ハーバード大学のウィリアム・ジェイムズ講義をもとにまとめた美学の主著で、芸術を特権的領域から日常経験の充実として捉え直した金字塔。

【内容】

本書はまず、芸術作品を美術館のガラスケースに隔離された完成品としてではなく、作品と鑑賞者のあいだで成立する「ひとつの経験(アン・エクスペリエンス)」として定義する。有機体と環境の相互作用から始まり、経験の連続性と完結性、リズム、表現、素材、形式、実質と形式の区別、芸術と科学と道徳の関係といった主要概念が順に展開される。絵画、音楽、文学、建築、演劇など諸芸術ジャンルの統一的理解が試みられ、最終章では芸術と民主主義・文明批評の結びつきが論じられる。

【影響と意義】

本書はエリオット・アイズナーの芸術教育論、リチャード・シュスターマンの「プラグマティスト美学」、近年の日常美学など、二十世紀後半から現代に至る美学・芸術教育論に広範な影響を及ぼしている。芸術と社会・教育・民主主義を切り離さないデューイの姿勢は、近年の参加型アート運動やコミュニティアートとも響き合う。

【なぜ今読むか】

美術館に気後れを感じたり、芸術は自分に関係ないと感じてきた読者の身構えを解きほぐしてくれる。日々の食事や散歩、仕事のなかに芸術の種があると気づかせ、生活の質を豊かにするための思考の友となる一冊である。

著者

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