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格言集(アダギア)

かくげんしゅう あだぎあ

デシデリウス・エラスムス·近代

古代の格言を集成した人文主義の共通語彙集

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哲学文化・宗教

この著作について

エラスムスが古代ギリシア・ローマの格言や諺を収集し、注釈を加えた大規模な格言集である。1500年にパリで初版が刊行された際は818項目だったが、エラスムスは生涯にわたり改訂を続け、最終版では4151項目にまで拡充された。

【内容】

各項目は短い格言の引用と、その出典・意味・歴史的文脈を解説する注釈から成る。「ゆっくり急げ」「象を蚊にする」など、現代でも生きている表現の多くがここから広まった。エラスムスは単なる語句の収集にとどまらず、聖書解釈や同時代の宗教批判、戦争批判をも注釈の中に織り込み、格言集を人文主義的言論の場に変えた。

【影響と意義】

本書はヨーロッパの人文主義者たちの共通教養を形作り、シェイクスピアモンテーニュの文体にも深い影響を残した。古典の知をラテン語で再構成し、新しい知識人の連帯を作り出した点で、近代知識人共同体の原型を築いた書物として位置づけられる。

【なぜ今読むか】

膨大な情報をいかに整理し、注釈と引用によって新しい意味の網の目を編むかという問いは、検索とリンクの時代を生きる私たちにも通じる。古典の引用が単なる装飾ではなく批判の武器になり得ることを、本書は教えてくれる。

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