フィロソフィーマップ

ゴドーを待ちながら

ごどーをまちながら

サミュエル・ベケット·現代

永遠に来ないゴドーを待ち続ける不条理演劇の代表作

Amazonで見る
文学

この著作について

アイルランド生まれでパリを拠点にしたサミュエル・ベケットが、フランス語で書き下ろして初演した二幕の戯曲で、不条理演劇を代表する二十世紀戯曲の金字塔。

【内容】

舞台は田舎の一本道、傍らに枯れ木が一本立つだけである。浮浪者ウラジミールとエストラゴンは、正体不明の「ゴドー」という人物を待ち続ける。何度も「帰ろう」と言いながら二人は動かない。途中、横暴な主人ポッツォと盲従する奴僕ラッキーが通り過ぎ、ラッキーが突如まくしたてる独白の場面が挿入される。夕方、少年が「ゴドーさんは今日は来られません、明日は必ず来ます」と告げて帰ってしまう。第二幕はほぼ同じ構造を繰り返すが、枯れ木にわずかに葉がつき、ポッツォは盲目になっている。結局ゴドーは現れない。終幕、二人は動くべきだと言いながら、ト書きは「二人は動かない」とだけ告げる。

【影響と意義】

発表直後から、現代演劇の決定的な転換点として受け止められ、ブレヒト以後の演劇言語を一新した。ベケットへのノーベル文学賞の授賞も本書を中核とし、イヨネスコ、ピンター、ジェネら不条理演劇の潮流を牽引した。日本でも安部公房《あべこうぼう》、別役実《べつやくみのる》の演劇に深い影響を残している。

【なぜ今読むか】

「約束されたものが来ない世界で、それでも生き続ける」という主題は、現代の長い不確実性の感覚と強く響き合う。短く読める戯曲だが、何度戻っても新しい問いが湧き上がる稀有な作品である。

関連する思想

Amazonで見る