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全体主義体制と権威主義体制

ぜんたいしゅぎたいせいとけんいしゅぎたいせい

フアン・リンス·現代

全体主義と権威主義を概念的に区別した政治学の学術的基礎著作

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政治

この著作について

スペイン生まれの政治学者フアン・リンスが、自国フランコ体制の分析から出発して権威主義体制論の基礎を築いた比較政治学の古典的論考。

【内容】

本書でリンスは、戦前・戦後に現れた非民主的政治体制を一括して扱うのではなく、まずナチス・ドイツやスターリン期ソ連に代表される「全体主義体制」と、フランコ期スペインや戦後の多くの独裁国家にみられる「権威主義体制」とを明確に区別する。全体主義は強力なイデオロギー、一党支配、広範な動員、社会のあらゆる領域への浸透を特徴とするのに対し、権威主義は限定された多元主義、明確なイデオロギーの不在、政治動員の抑制、リーダーの裁量的支配といった穏やかで曖昧な特徴を持つ、とされる。のちに「ポスト全体主義」「スルタン主義」など中間型も加えた類型論が展開される。

【影響と意義】

本書の類型論は、比較政治学における非民主的体制研究の標準枠組みとなった。南欧・ラテンアメリカ・東欧・アジアの民主化研究、さらには現代の「権威主義化」の分析、民主主義の後退に関する議論に、今も必須の概念装置を提供している。

【なぜ今読むか】

現在進行形で世界各地の民主主義が試されているなかで、「ある国がどの程度まで非民主化したのか」を精密に見極めるためには本書の類型が役に立つ。ニュースを診断するための学術的な補助線となる。

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