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農業本論

のうぎょうほんろん

新渡戸稲造《にとべいなぞう》·近代

日本農業の体系を総合的に構想した新渡戸稲造の学術処女作

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経済日本

この著作について

新渡戸稲造が1898年、札幌農学校時代の研究成果をまとめて公刊した農業経済論の大著。武士道(1900)の2年前に日本語で書かれた学術処女作で、近代日本における農学・農業経済学の出発点となった著作である。

【内容】

全5編。農業を単なる食料生産ではなく、土壌・気候・生産・社会・倫理を総合した総合科学として位置づけ直す。第1編で農業と自然条件、第2編で農民階級と社会構造、第3編で農業経営と経済学、第4編で政策と国家、第5編で農業教育と倫理を論じる。欧州留学で学んだリスト・シュモラーらドイツ歴史学派経済学の方法を日本の農村の現実に適用し、小農を国家の基礎とする独自の農本思想を提示する。

【影響と意義】

東京帝国大学農学部・北海道帝国大学の農業経済学教育の基本教材となり、柳田國男の民俗学的農村研究、賀川豊彦の協同組合運動、石原莞爾の農本主義にも影響の跡を残した。戦後農地改革の理論的土壌の一つでもある。

【なぜ今読むか】

食料安全保障と地方再生が再び議論される現代、農業を総合的に考える視点の原型に立ち返る価値がある。

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