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数理の歴史主義展開

すうりのれきししゅぎてんかい

田辺元·現代

田辺の数学哲学の到達点

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哲学京都学派数学哲学

この著作について

【内容】1954年刊行、副題『数学基礎論覚書』を持つ田辺元晩年の数学哲学である。集合論、直観主義、形式主義というヒルベルト以後の数学基礎論の三大潮流の対立を、歴史主義的弁証法によって再解釈する試みを展開する。ゲーデルの不完全性定理やブラウワー直観主義の批判的検討を通じて、ハイデガーの存在論との対決を意図し、数学を歴史的存在論として位置づける独創的構想を提示する。

【影響と意義】京都学派の中で数学・自然科学を哲学的に主題化した稀有な書であり、田辺の専門数学的素養を凝縮した到達点である。自然科学と歴史主義を媒介する論理の探究は、後の科学哲学的議論に先駆けるものを含む。岩波文庫『田辺元哲学選III』に収められて手軽に読めるようになり、再評価が進む。

【なぜ今読むか】数学の根拠を歴史と社会から問う本書の手つきは、形式主義的なAI論や数学論が広がる現代に新鮮な視座を与える。論理と歴史、抽象と実存をひとつの思惟として扱う田辺哲学の魅力が凝縮された一冊である。

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