仏
『仏教の根底にあるもの』
ぶっきょうのこんていにあるもの
玉城康四郎·現代
仏教の根底をたずね、空海・法然・親鸞・道元から無・時間論までをとりあげる本
哲学文化・宗教
この著作について
玉城康四郎が、仏教の根底にあるものをたずねた本である。講談社学術文庫に収められており、1986年刊で318頁。講談社からは1982年にも同名の単行本(271頁)が出ている。
【内容】
書店の内容紹介にある文章では、著者は、仏教の根底という発想が浮かんだのは、大学に入って仏教の講義を聞いたときにさかのぼるように思う、と書いている。親鸞の生き方には多少なじみがあったものの、仏教にふれたのは大学が初めてだった。それから何十年も仏教各派の領域に踏みこんで試行錯誤をかさね、還暦近くになってようやくブッダの目覚めに出会ったという。その出会いを「形なきいのちが顕わになってくる」と言い表し、仏教の根底がほのかに見えはじめてきたと述べる。文庫版の目次は、副題に救いと悟りを掲げた「仏教の根底にあるもの」に始まり、「空海から親鸞・道元へ」「法然の念仏」、副題を「行ということ」とする「親鸞の宗教的世界」、「真理の体現者 道元」と続く。そのあとに「仏教の無」「仏教の時間論」が並び、最後は「仏教の未来」である。
【影響と意義】
文庫版は講談社学術文庫の一冊である。目次に並ぶ範囲は、空海・法然・親鸞・道元という日本の仏教者から、無や時間といった主題、仏教の未来にまで及ぶ。仏教の各派をまたいで根底をたずねる本であることが、この構成から読み取れる。
【なぜ今読むか】
仏教には各派があり、著者自身も何十年にわたってその領域に踏みこんだと述べている。そのうえで根底を問うこの本は、宗派ごとに見える仏教を、ひとつの問いのもとで見直したい人にとって、読む理由になる。