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仏教の根底にあるもの

ぶっきょうのこんぽんしんり

玉城康四郎·現代

三法印《さんぼういん》を含む仏教の根本思想を体系的に解説する

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哲学文化・宗教

この著作について

仏教学者・玉城康四郎《たましろこうしろう》が、初期仏教のパーリ経典と大乗仏教の精髄を結びつけつつ、仏教の根本思想を平易に解説した古典的入門書。

【内容】

本書は三法印(諸行無常《しょぎょうむじょう》、諸法無我《しょほうむが》、涅槃《ねはん》寂静《ねはんじゃくじょう》)を議論の軸とする。まず「諸行無常」が、経験世界の流れをありのままに見る智慧として説かれる。次に「諸法無我」が、自我という固定的実体への執着を解く洞察として論じられる。そのうえで「一切皆苦」と「涅槃寂静」の関係、四諦《したい》・八正道《はっしょうどう》の実践、縁起《えんぎ》の論理が順に示される。著者は禅的行の経験と学問的読解の双方を踏まえつつ、仏教を教義の集合ではなく「生のあり方の転換」として捉える立場を貫く。大乗仏教における菩薩の慈悲、中観・唯識《ゆいしき》の展開にも視野が広げられる。

【影響と意義】

戦後日本の仏教学を代表する著者の仕事のなかでも、一般読者向けの入門として長く読み継がれている。仏教の根本を、学術的正確さと実存的深さを両立させて語る書として評価が高い。

【なぜ今読むか】

マインドフルネスや禅ブームの背後にある仏教思想の骨格を、真面目に学び直したい人にとって、本書は信頼できる基礎になる。短く読めるが、人生観を静かに揺さぶる力を持つ書物である。

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