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春と修羅

はるとしゅら

宮沢賢治·近代

宮沢賢治が自費出版した唯一の詩集

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文学日本

この著作について

宮沢賢治が1924年に自費出版した、生前に公刊された唯一の詩集。詩人自身は作品群を「心象スケッチ」と呼んだ。

【内容】

冒頭の「春と修羅」では、春の明るい風景のなかで内奥にわだかまる修羅の怒りが疾走する。岩手の自然を背景にした光と影、法華経に由来する仏教的世界観、科学的用語(「四次延長」「プリズム」「風景の鉱脈」)、東北弁のリズムが混在し、独特の言語世界を作り上げている。代表的な詩「永訣の朝」は妹トシの死を綴った哀歌として広く知られ、「無声慟哭」と並んで宮沢詩の核を成す。

【影響と意義】

刊行当時は無名のまま終わったが、死後に全集が整えられ、日本近代詩の最重要作品の一つとして不動の地位を得た。中原中也・草野心平・宮柊二ら多くの詩人に影響を与え、現代でも繰り返し読み返される。自然科学と宗教、方言と理論用語を溶け合わせる言語実験は、他に例がない。

【なぜ今読むか】

効率や数値に覆われた現代に、宮沢の詩は「もう一つの言語のあり方」を示してくれる。自然と共に苦しみ、祈りに似た声を発する人間の姿がそこにある。

著者

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