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蜘蛛の糸

くものいと

芥川龍之介·近代

地獄からの救済の糸を描いた芥川の代表的短編童話

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文学

この著作について

芥川龍之介が1918年、鈴木三重吉主宰の児童雑誌「赤い鳥」創刊号に発表した短編。鈴木大拙《すずきだいせつ》訳のポール・ケーラス『カルマ』の「天界の蜘蛛糸」を原典としつつ、芥川独自の簡潔な文体で書き直した、日本児童文学と短編文学の古典である。

【内容】

極楽を歩かれていた御釈迦様が、池の蓮の葉のあいだから地獄の底を覗き込む。生前の悪行により血の池に浮き沈む大盗賊カンダタを認め、かつて彼が一匹の小さな蜘蛛を殺さずに見逃した善行を思い出す。そこで釈迦は一本の細い蜘蛛の糸を垂らして救済の機会を与える。糸を登ったカンダタは、他の罪人たちが続いて登ってくるのを見て「下りろ、下りろ」と蹴落とそうとした瞬間、糸は切れて再び地獄へ落ちる。

【影響と意義】

日本の児童文学・道徳教育の定番として現在まで教科書に採録され続けている。自己愛と利他、慈悲と審判という普遍的なテーマを、極度に短い物語で完結させた芥川的構成の典型である。

【なぜ今読むか】

数ページで読み終えるが、余韻は長く残る。自分の利害を一瞬優先したときに何が失われるかを、即座に身に沁みて考えさせる。

著者

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