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黒人のたましい

こくじんのたましい

W.E.B.デュボイス·現代

二重意識の概念で黒人経験を哲学化した公民権運動の先駆的古典

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政治哲学

この著作について

アフリカ系アメリカ人として初めてハーバード大学で歴史学博士号を取得した社会学者・公民権運動家W.E.B.デュボイス(1868〜1963)が1903年に刊行した『The Souls of Black Folk』の邦訳。

【内容】

エッセイと社会調査と霊歌の分析を融合させた14章構成の書。冒頭で提示される「二重意識(double consciousness)」概念は、アメリカ黒人が常に「自分自身」と「白人社会から見た自分」の二つの目で自らを見ざるを得ない経験を哲学的に定式化したもので、本書の中核思想となる。「フリードマンズ・ビューロー」の歴史的評価、ブッカー・T・ワシントンの妥協的指導者像への批判、南部黒人農民の生活、教育の役割、霊歌に込められた魂の歌、息子ブルガーの死を悼むエッセイなどが、政治論と内面の語りを行き来しつつ展開される。

【影響と意義】

本書はハーレム・ルネッサンス、公民権運動、現代のクリティカル・レイス・セオリーに直接の影響を与え、ボールドウィン、トニ・モリスン、コーネル・ウェストら後続の黒人知識人が繰り返し参照する原典となった。「二重意識」概念は今日のアイデンティティ理論の基礎概念のひとつである。

【なぜ今読むか】

抑圧された側からの自己理解の言葉がいかに普遍的な思想となりうるかを、最良の形で示す古典である。

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