利
『利休にたずねよ』
りきゅうにたずねよ
山本兼一·現代
直木賞受賞、利休の内面に迫る歴史小説
哲学日本思想歴史小説
この著作について
【内容】山本兼一による歴史小説で、第140回直木賞を受賞した代表作である。2008年に PHP 研究所から刊行された。利休切腹の日から時間を遡る逆行構成をとり、千宗易と呼ばれていた青年期、さらには若き日の異国人女性との恋を含む美の原体験までを章ごとに描く。一服の茶に込められた美意識の根源が、ひとつの恋愛譚として読み解かれていく。妻・宗恩、秀吉、織田有楽、古渓宗陳ら同時代人の視点を交えた多声構成も巧みである。
【影響と意義】学術的評伝とは異なる角度から、利休のわびを「失われた美への追慕」として再構築した点に独自性がある。2013年には市川海老蔵主演で映画化され、利休像を広く現代に伝える役割を果たした。文庫はPHP文芸文庫に収められており、入手しやすい。
【なぜ今読むか】茶の湯の精神を概念ではなく感覚として追体験したい読者に適している。歴史考証と虚構を巧みに織り交ぜながら、極限の美意識がどのような個人的記憶から立ち上がるかを描き出す手腕が見事である。利休に関心を持つ入口として親しみやすい一冊である。
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