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宗教とは何か

しゅうきょうとはなにか

西谷啓治·現代

西谷啓治が宗教の本質を哲学的に問う主著

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哲学

この著作について

京都学派を代表する哲学者・西谷啓治(にしたにけいじ)が、ニヒリズムの徹底を通じて宗教の本質を問い直した主著。

【内容】

本書はまず、近代科学的世界観が古来の宗教的意味を解体し、世界から深い根拠が失われていく過程を辿る。ニーチェの「神の死」、ハイデガーの存在論、実存主義のニヒリズム分析が引き受けられつつ、西谷はそこからさらに一歩進み、大乗仏教の空・無の立場からニヒリズムを底抜けに突き抜ける道を模索する。自我、罪、死、歴史、科学、死者との関わりといった主題が、禅と西洋哲学の交錯点で緻密に論じられる。中核となるのは、ニヒリズムが単なる否定ではなく、「空」として積極的に引き受けられるとき宗教が立ち上がる、という洞察である。

【影響と意義】

京都学派の宗教哲学を国際的に知らしめた書物であり、英訳もされて東西比較思想の古典となっている。トマス・マートン、ジョン・カブ、小田垣雅也(おだがきまさや)ら東西宗教間対話の担い手にも深い影響を与えた。仏教哲学とポストキリスト教思想の対話の範例である。

【なぜ今読むか】

価値観が揺れ「意味の不在」が自明となった現代に、ニヒリズムをごまかさずに徹底したその先を考える本書の姿勢は、宗教の有無を問わず読者を鍛える。難解だが、読み進むうちに世界の見え方がずれていく経験を伴う。

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