フィロソフィーマップ

出口なし

でぐちなし

ジャン=ポール・サルトル·現代

「地獄とは他者である」を宣告した三人芝居のサルトル戯曲代表作

Amazonで見る
文学哲学

この著作について

ジャン=ポール・サルトルが1944年にナチス占領下のパリで執筆し、同年5月に初演された一幕の戯曲。存在と無の主題を舞台装置で具現化した実存主義演劇の代表作であり、「地獄とは他者である(L'enfer, c'est les autres)」の一句で世界的に知られる。

【内容】

時代も外見も異なる三人の男女——青年脱走兵ガルサン、レズビアンの郵便局員イネス、幼児殺しの社交界の女エステル——が、死後「地獄」と説明された第二帝政風の応接間に送り込まれる。初めは処罰も責め苦もないと安心するが、やがて三人は互いの視線なしに自己同一性を保てず、同時に他者のまなざしによって過去の自分に釘付けにされていることに気づく。「地獄とは他者である」という有名な台詞が、劇の結論として置かれる。

【影響と意義】

戦後ヨーロッパ実存主義演劇の金字塔として、ベケット、イヨネスコ、ジュネ、ピンターらの不条理演劇の源流となった。社会学でいう「承認の政治」論議にも影響を与えている。

【なぜ今読むか】

SNSでの相互監視が日常化する現代、他者の視線が自己を形成し同時に拘束する構造を、最もシャープに形象化した古典。

著者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る