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メノン

プラトン·古代

想起説と徳の教え方を論じたプラトンの中期対話篇

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哲学

この著作について

アテネを訪れたテッサリアの貴族メノンに「徳は教えられるのか」と問われたところから始まる、プラトンの中期対話篇。短いながら、想起説(アナムネーシス)が初めて舞台に登場する哲学史的に重要な一篇である。

【内容】

対話は二段階で進む。前半でソクラテスは「徳とは何か」の定義をメノンに求め、いくつかの答えを反例で崩していく。中盤に有名な場面が現れる。教育を受けたことのない奴隷の少年を呼び寄せ、地面に正方形を描いて問いだけを重ねると、少年は対角線を引けば倍の面積の正方形になることを自力で発見する。プラトンはここから、学習とは魂がかつて観想したイデアを思い出すことだと結論する。後半では、徳が知識ならば教えられるはずだ、しかし教師は見当たらない、ならば徳は神からの贈り物に近い「正しい意見」かもしれない、という保留で対話は閉じる。

【影響と意義】

アプリオリな知識という発想の原型がここにある。デカルトの生得観念、カントの純粋直観、20世紀チョムスキーの普遍文法に至るまで、認識の枠組みが経験以前に組み込まれているとする思想は、すべてこの少年の場面の遠い反響として読める。後のパイドン『パイドロス』で繰り返される魂の不死論も、ここで芽吹いた。

【なぜ今読むか】

「分かっているはずなのに言葉にできない」という日常的な経験を、哲学的にどう扱うかの古典的な答えが提示されている。学ぶとは何かを根本から考え直したい読者に向く。

著者

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