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ホミ・K・バーバ·現代

「混淆性」「第三の空間」を提唱したポストコロニアル批評の代表作

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批評現代思想

この著作について

シカゴ大学・ハーバード大学のポストコロニアル批評家ホミ・K・バーバ(1949〜)が1994年に公刊した、サイード以後のポストコロニアル批評を代表する論文集(原題『The Location of Culture』)。

【内容】

バーバは植民地的経験を本質主義的「東洋/西洋」の二項対立で捉えるサイードの図式を批判し、植民地的状況には常に「混淆性(hybridity)」「両義性(ambivalence)」「擬態(mimicry)」が浸透していると論じる。植民者と被植民者は単純な対立関係ではなく、互いの言説を取り込み・歪曲・反転させ合う複雑な絡み合いのなかにある。彼が提唱する「第三の空間(Third Space)」は、純粋な「自国文化」と「外来文化」のいずれにも還元されない、両者の境界線で生まれる新しい意味と主体性の場である。フランツ・ファノン、サルマン・ラシュディ、ナディーン・ゴーディマー、ポストコロニアル文学が縦横に論じられる。

【影響と意義】

スチュアート・ホール、ガヤトリ・スピヴァク、サイードと並びポストコロニアル理論の三大柱の一人。「ハイブリディティ」「第三の空間」概念は文学批評・文化研究・建築論・社会学に広く浸透し、現代のグローバリゼーション・移民論にも応用されている。

【なぜ今読むか】

移民・グローバル化・多文化共生をめぐる現代の論争で、二項対立を超える文化観を提供する不可欠の理論的参照点。

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