フィロソフィーマップ

メノイケウス宛の手紙

めのいけうすあてのてがみ

エピクロス·古代

幸福と死についての教えを要約した短い倫理書簡

Amazonで見る
哲学倫理

この著作について

エピクロスが弟子メノイケウスに宛てて書いた短い手紙で、エピクロス倫理学の要点を凝縮した最重要テキストの一つ。エピクロス―教説と手紙に収録されて伝わる。

【内容】

手紙は「若い者も老いた者も哲学することをためらうな」という呼びかけから始まる。神々は祝福された不死なる者であり、人間の生活に関心を抱いて干渉するものではないとされ、神への不安が解かれる。続いて「死はわれわれにとって何ものでもない」の有名な命題が示される。われわれが存在する限り死は存在せず、死が到来すればもうわれわれは存在しないからである。さらに欲望は自然で必要なもの、自然だが必要でないもの、自然でも必要でもないものに分類され、必要な欲望の充足が「心の平静(アタラクシア)」と身体の苦痛の不在(アポニア)をもたらすと説かれる。快楽主義は贅沢や放縦の奨励ではなく、賢慮と節度に支えられた生の営みであることが明確にされている。

【影響と意義】

ストア派と並ぶヘレニズム倫理学の代表的教えの要約として、ローマの詩人ルクレティウスからモンテーニュ、近代の啓蒙思想、現代の幸福論にまで影響を及ぼし続けている。

【なぜ今読むか】

わずかな分量で「死・欲望・幸福」という人生の根本問題に対する明快な答えが示される。不安な時代に手のひらに置いておきたい小さな古典。

著者

この著作をマップで見るAmazonで見る