孔
『孔子』
こうし
貝塚茂樹·現代
孔子の人物と思想を平易に描いた定番入門書
哲学入門
この著作について
中国古代史の第一人者である貝塚茂樹《かいづかしげき》が、孔子の生涯と思想を一般読者向けに描いた入門の定番。岩波新書の長寿ロングセラー。
【内容】
孔子が生きた春秋時代の混乱を背景に、故郷・魯(ろ)での挫折、諸国をさまよう遊歴《ゆうれき》の旅、晩年の弟子教育と古典編纂までを順に追う。その上で、仁・礼・徳治といった中心概念を『論語』の具体的な章句に結びつけて解きほぐす。思想の抽象的な解説だけで終わらず、そのつど孔子本人の生の場面に戻って意味を確かめる書き方が特徴である。
【影響と意義】
戦後日本の東洋学を牽引した貝塚の手になる本書は、学術的な正確さと一般向けの読みやすさを両立させた入門書の古典として長く読まれてきた。儒教という言葉に漠然とした堅苦しさを感じていた読者にも、孔子を一人の人間として近づけてくれる。
【なぜ今読むか】
理想を掲げながら受け入れられなかった孔子の苦悩と、それでも歩みを止めなかった粘り強さが丁寧に描かれている。思想書としてだけでなく、生き方に迷うときの人物伝としても心に残る一冊である。
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