フィロソフィーマップ

インタービーイング

ティク・ナット・ハン·現代

縁起《えんぎ》の現代的表現「相互存在」を提示した実践仏教の宣言

Amazonで見る
宗教哲学

この著作について

ベトナム生まれの禅僧ティク・ナット・ハン(釋一行、1926〜2022)が1987年に刊行した『Interbeing: Fourteen Guidelines for Engaged Buddhism』の邦訳。一行禅師が創立したティエプヒエン教団(Order of Interbeing)の十四戒を解説した、現代仏教の代表的綱領書である。

【内容】

本書の中心概念「インタービーイング(相互存在)」は、仏教の「縁起」を二十世紀の言葉で表現したものである。一枚の紙には木と雲と雨と太陽がすべて含まれており、それらなしに紙は存在しえない。同様に、自己と他者・人間と自然・心と身体は分離されたものではなく相互に支えあっているという洞察を、十四の倫理的指針として展開する。教義への絶対的執着を捨てる、苦しみとの直接的接触を避けない、怒りを変容させる、消費を見つめ直す、命を守るなど、瞑想実践と社会倫理を一体化した「エンゲージド・ブッディズム」の核心が示される。

【影響と意義】

一行禅師はベトナム戦争反対運動でキング牧師と並んでノーベル平和賞候補となり、後にプラム・ヴィレッジ瞑想センターを通じて世界中に「マインドフルネス」を広めた。本書はその思想と実践を最も簡潔に伝える著作として、世界中の仏教実践者・社会活動家・心理療法家に読み継がれている。

【なぜ今読むか】

気候危機・分断・戦争の時代に、瞑想と社会的責任を結びつける具体的な指針を与えてくれる古典である。

関連する思想

Amazonで見る