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歴史の理念

れきしのりねん

R・G・コリングウッド·現代

歴史哲学の標準テキスト。「すべての歴史は思想の歴史である」

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歴史哲学

この著作について

オックスフォード大学の哲学者・考古学者ロビン・ジョージ・コリングウッド(1889〜1943)が遺稿として残し、1946年に弟子のT・M・ノックスによって編集・公刊された歴史哲学の主著(原題『The Idea of History』)。

【内容】

前半は、ヘロドトスから20世紀のクローチェまでの歴史叙述・歴史哲学の歴史を辿る思想史的展開。後半でコリングウッド独自の歴史哲学が展開される。中心テーゼは「すべての歴史は思想の歴史である」。歴史家の仕事は外的事実の収集ではなく、過去の行為者の思考を「自分の心のなかで再演(re-enactment)」することである。シーザーがルビコンを渡ったときの思考を、現代の歴史家が再構築すること、それが歴史認識の本質だと論じる。歴史的説明は、自然科学的因果説明とは別個の「合理性の説明」の論理に従う。

【影響と意義】

ヴィーコ、クローチェに連なる歴史主義の伝統を英語圏で代表する古典。20世紀分析哲学における歴史哲学(ウォルシュ、ドレイ、フーコー的考古学とも対比)の議論を方向づけた。日本では小松茂夫らによる訳を経て、歴史学・思想史研究に広く参照される。

【なぜ今読むか】

AI時代に「機械が歴史を理解できるか」を考えるとき、コリングウッドの「再演」概念は決定的な参照点となる。

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